鵜殿の葦

淀川は、宇治川、桂川・木津川の三川が合流して大阪湾へ注いでいます。鵜殿は合流した淀川の始まりから約4km下流、淀川の河口、大阪湾から30〜33km地点に有り、面積75ha(甲子園球場約18個分)で淀川最大の河川敷です。
このあたりは植物380種あまりが生育し、鳥や小動物が暮す自然豊かな所として知られています。
群生する葦は春に新芽を出して夏には高さ5m近くにまで成長し、その間多くの窒素やリンを吸収して水を浄化すると共に、たくさんのCO2を吸って地球温暖化防止にも役立っています。
鵜殿の葦は昔から良質で知られ、40年ほど前まではヨシズや寒天すだれ等の材料として大量に使用されていました。しかし今では価格の安いヨシズが海外から輸入されるため、ほとんど立ち枯れの状態です。茎や葉などの地上部分は1年で枯れるためそのまま放置しておくと、再び分解されて吸収したCO2等を放出してしまいます。

■葦が環境に良いのは?
河川敷に生息する葦は、育成時に水の中のリンや窒素を吸収して河川の水を浄化してくれます。
また、5m近くにまで成長する葦はたくさんの葉をつけ、多くの二酸化炭素を吸収して地球温暖化防止に役立っています。

■葦がゴミに
昔は、かれた葦の利用方法がたくさんありました。
しかし近年、多くの葦が中国から輸入されるようになり、枯れた葦はそのまま放置されるようになりました。放置された葦は新たに芽吹く葦の育成の妨げになり葦は減っていきます。
葦は多年草ですが、地上部分は1年で枯れます。現在では枯れた葦は12月下旬から2月にかけて刈取りをしますが、刈取り後の葦の利用方法はあまりなく、多くはヨシ焼で焼いています。
各地のヨシ原では、生態系の保全のためヨシを植える事業やヨシの保全事業を行うと共に新たな利用方法を模索しています。