■第三話 プロジェクトC■
カナディアン2回生吉川は、C4決勝の前に私に言った。
「必ず、優勝してきます」
関学選の時は頼りなかった吉川の背中が大きく見えた。 
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4日目のC−41000m決勝、800mあたりからスピードを上げ
他校を置き去りにして力強く伸びる同志社カナディアンのフォアー。
マネージャの目から涙があふれ出す。
C−4初優勝。同志社は歓喜の渦。
そのレースは我々OBが見ても感動するすばらしいレースだった。
4回生 吉澤・澤田、3回生 佐藤、2回生 吉川。息の合った良いフォアーだ。
しかし、この優勝の裏にこんなことがあったと、
4回生澤田大は幹部交代のスピーチで語った。
===プロジェクトC===(「プロジェクトX」風に)
2003年秋、澤田大3回生は大学院に進学することを決めた。
しかしそれは、カヌーに使える時間が激減することを意味していた。
澤田は、思った。
"俺が頻繁に休むとみんなの士気にかかわる"
"中途半端なままでは俺もダメになってしまう"
退部を決意した澤田は、新カナディアンリーダー吉澤に告げた。
「カヌー部をやめたい」
吉澤は、言った
「インカレに、大きな忘れ物をしてきたばかりじゃないか」
「お前がいないと、C−4は勝てない」
退部を思いとどまった澤田の新たな戦いが始まった。
....
澤田はスピーチの最後をこう締めくくった。
「吉澤、ひきとめてくれて ありがとう」
===プロジェクトC===
 
 
 
第四話 C−1 10000m まさかの沈へ